引き続き、令和2年度12月議会の中学校給食に関する質疑についてお伝えしていきます。
第5弾は12/7、田中美穂議員の一般質問です。
※なお、本会議録画より私どもが書き起こしたものであり、正式な議事録ではありません。
(画像は町田市「2019年度 町田市 市民参加型事業評価 キックオフミーティング実施報告書」より)
●日本共産党 田中美穂議員(録画はこちら)
田中議員:
1項目めは、「小学校のような豊かな中学校全員給食の早期実現を求めて」です。9月議会で、中学校給食について、「新たな提供方式について検討する」と答弁がありました。10月始めにホームページに公開された「町田の新たな学校づくりに関するアンケート」の報告書、膨大な量ですけれども、直接給食についてのアンケートではないにもかかわらず、自由記述の中にその他の意見として、中学校給食に関する意見、「中学校でも給食を」「中学生にも小学校のようなおいしい給食を食べさせてあげたい」など、多数意見が書かれており、当事者の中学生の保護者だけでなく未来の中学生保護者や地域の方々の関心と願いの広がり、その強さを改めて実感いたしました。こうした市民の声に応え、町の子どもたちのために大きな決断をしていただいたと、改めて思っています。
先日、駅前で議会報告の宣伝をしていたところ、お子さん二人を連れた女性に――知らないかただったんですけど、中学校給食について尋ねられ、「大きく前に進みそうですよ」と話をしたところ、娘さんを指さしながら「娘は小5なんです、ぜひ間に合うように」と返してくださいました。これまでも様々な声を紹介してきましたけれども、町田市に対して給食の期待が大きくなる中、以下の4点について質問いたします。
(1)町田市学校給食問題協議会の諮問内容と今後の予定について問う。
(2)中学校給食の「新たな提供方式」について、どのような方式を検討しているか。
(3)給食を「生きた教材」として活用するため栄養教諭または栄養士の各校配置を求めるがどうか。
(4)小学校のような豊かな中学校全員給食を早期に実施すべきだがどうか。
学校教育部長:
(1)「町田市学校給食問題協議会の諮問内容と今後の予定について問う。」についてでございますが、現行方式の中学校給食において、給食利用を促進するための取り組みを行ってまいりましたが、現時点で利用者を大きく増やすにはいたっておりません。
また、今般の新型コロナウイルス感染症の影響により、現在の中学校給食の提供方式では、簡易的な食事の提供や、非常時に求められる柔軟な対応をとることが難しい状況であるという、新たな課題も認識いたしました。これらの課題を解決するため、新たな中学校給食の提供方式について、2020年11月18日に町田市学校給食問題協議会に諮問し、検討を開始いたしました。
協議会は全5回の開催を予定しており、2021年1月に答申を受ける予定でございます。
次に(2)の「中学校給食の新たな提供方式についてどのような方式を検討しているか」についてでございますが、協議会では、「選択制がよいか、全員給食がよいか。ランチボックス形式がよいか、食缶形式がよいか。自校方式、親子方式、給食センター方式のいずれかがよいか」など、比較検討を行う予定でございます。
次に(3)の「給食を生きた教材として活用するため、栄養教諭または栄養士の確保配置を求めるがどうか」についてでございますが、現在、新たな中学校給食の提供方式について、町田市学校給食問題協議会で協議している段階でございます。栄養教諭や栄養士の配置については、新たな給食提供方式が決定された後に検討するべきものであると考えております。
次に(4)の「小学校のような豊かな中学校全員給食を早期に実現すべきだかどうか」についてでございますが、市長答弁にもございましたが、2021年1月に協議会からの答申を受け、市として今後の中学校給食の方向性を速やかに決定してまいりたいと考えております。
その上で、新たな中学校給食提供方式の具体的な内容を盛り込んだ基本計画を策定していく予定でございます。
田中議員:
項目1について再質問を行います。
(1)については了解をいたしました。
中学校給食の新たな方式について、様々検討をされるということでお答えをいただきましたが、選択制か全員かという点も挙げられていたと思います。「学校給食実施基準」においては「第一条、学校給食は、これを学校実施する学校においては、当該学校に在学する全ての児童または生徒に対して実施されるものとする」「第二条、学校給食は年間を通じ、原則として毎週5回、授業日の昼食時に実施されるものとする」とありますが、基本的に全員対象、授業日に毎日提供されるのが原則だという点とですね、それから一方で個別の事情がありますから、今町田の小学校では、アレルギーで本当に食べられない物が多い児童さんはお弁当を持ってきたりとか、またはアレルギーじゃなくても、その他の事情でお弁当を持参したいという場合は認められているというふうに思いますけれども、その意見を確認したいと思います。
学校教育部長:
2点いただきました。1点目の学校給食実施基準におきましては、「学校給食は当該学校に在学する全ての児童生徒に対して実施されるものとする」とされておりますが、町田市の現在の中学校給食は、給食を希望する生徒に提供できるものであり、学校給食法に則ったものであると考えております。選択制か、全員給食かなど新たな給食の提供方式につきましては、その方式が現在行ってる方式の課題の解決となるかなど、学校給食問題協議会の答申を踏まえ、総合的に判断してまいります。
もう1点。小学校給食で食物アレルギーや家庭の方針もございますが、弁当を持参している子どもがいるかどうか確認ということでございました。食物アレルギーや家庭の方針等で弁当を持参している児童がいることは、認識しております。
田中議員:
わかりました。全員か選択制かについても、今後も協議会のほうでやられるということと、仮に全員となった場合でも、給食は強制されて食べるものではないという点は確認をしたいと思います。なぜかというと、基本的にはみんなで食べられるっていう今の小学校のような形であれば、やはり安心して食べられる子どもたちが今よりも増えるのではないかという点と、一方で小学校で今やられている給食の中で、そういった選択については認められているということを確認させていただきたいと思い、今回、この再質問をさせていただきました。
次に様々、自校・親子・センター給食ということで、方式を検討されるということなんですけれども、こういった方式について具体的にはどういった自治体を参考にされているのか。視察に行ったりとか話を聞いたりとかをどういった自治体にやられているのか伺いたいと思います。
学校教育部長:
はい。他の自治体の視察でございますが、八王子市の親子方式で提供している小学校と給食センターの視察を行っております。親子方式では調理場の状況やにおい、騒音等の周辺環境に与える影響があるかどうか。また配送するまでの流れや運搬までにかかる時間などを確認してまいりました。給食センター方式では、5校分約2500食の中学校の給食を提供しておりました。センター内の調理場の状況や食物アレルギー対応の方法、給食センター周辺のにおいや騒音等の状況を確認したところでございます。
田中議員:
八王子市を視察をされたということで了解をいたしました。そのほかにもいろいろな自治体でやり方がいろいろありますから、行かないまでも調査をされているという認識でよろしいでしょうか。
学校教育部長:
はい。それ以外の自治体に対しても、視察は難しいと思いますが確認は行っております。
田中議員:
様々な調査をされているということでわかりました。学校給食問題協議会でこういった方式について検討されていくということなんですけれども、委員のかたもですね、自校給食については小学校で実施されているのでイメージができると思うんですけれども、他の方式についてはイメージがわかないことが懸念されると思います。実際私も親子給食の自治体を視察に行くまでですね、小学校でいっぺんに小学校中学校の分を作っているのかと思っていたんですけれども、実際行ってみたらその自治体では親側の学校で、2回同じメニュー、最初に中学校の分を作ってその後小学校の分を作るっていう二回転まわすような方法をとっているのを、初めて知ったということがありました。
また、先ほど八王子でアレルギー対応されているところを視察されたということなんですけども。センター方式でもアレルギーに対応できる、対応している自治体なんかも増えていると思います。
かつて学校給食問題県議会、1期か2期だったと思うんですけども、実際に委員のかたがたが他自治体に視察を行っているなんていう記録もありますが、今回はコロナ禍のもと、また、期間的にも無理だと思いますので、そういった方式についてはわかりやすく、ぜひ伝えていただきたいと思いますがいかがでしょうか。
学校教育部長:
はい。学校給食問題協議会でお示しする資料につきましては、委員のかたにとってわかりやすい資料を作成してまいります。具体的には新たな給食提供方式、それぞれの説明に図や写真を用いたり、メリットデメリットを踏まえた比較表の作成を予定しております。
また具体的な事例を挙げるなど、イメージが湧きやすくなるような説明を心がけてまいります。
田中議員:
わかりやすく工夫していただけるということで、本当によろしくお願いいたします。いろいろ疑問も出されると思いますので、ぜひそういった疑問が出しやすいような工夫ですとか、各方式についてもよく理解できる工夫をしていただきたいなと思っております。
方式を検討するにあたって、学校給食の役割というところの認識ですとか、そういった役割を果たすために方式の検討の際にどういった点を重視しようとされているのか、お考えを伺いたいと思います。
学校教育部長:
はい。現在の選択制デリバリー方式の課題である「温かい給食を提供すること」や「食物アレルギーに対応すること」が「非常時災害時における柔軟な対応を可能とすること」などを解決していくためには、これからの中学校給食はどのような提供方式が望ましいのか、ということに重点を置いて各方式のメリットデメリットを踏まえた、比較検討を行う必要があると考えております。
田中議員:
大事にされている点がわかりました、ありがとうございます。温かい給食、非常時への柔軟な対応など、本当にこれまでの課題を解決する方式をぜひ町田に合わせた形で、検討していただきたいなと思っています。
(3)についてなんですけれども。栄養教諭や栄養士の配置については、方式が決まった後に検討していくというご答弁だったんですけれども、私もどんな方式が採用された場合でも、給食を食育の「生きた教材」として活用するためには、専門家である栄養士の存在というのが欠かせないと思っています。今年の1月に文部科学省が主催した「栄養教諭による食育授業体験会」というのに参加をしました。
中学校の栄養教諭の先生だったんですけれども、その中で給食を食べる生徒たちが、バランスをよく食べることですとか、成長期にカルシウムを取るっていうのは、骨の貯金になるんだよとか、そういった学習を栄養士の先生が他の担任の先生などと協力をして行うことで、子どもたちはてきめんに残食が減ると。学習した後に残食が減るというような話もしてくださいました。
中学生になるとやはり小学生とは違って、自我が出てくるというか、食べなさいだけでは食べないケースもある中で、学んで「これが自分の体になんになるのか」というところを知る中で、しっかり食べようという意識が生まれてくるということを学ばせていただきました。
また小学生と違って中学生は自分で料理をしたりとかお弁当作ったりですとか、高校になれば給食がなくなる可能性は高いですし、そういった高校生、大人になったときにできるだけ健康的な食生活を送るための土台を中学校の給食で、中学校で学ぶっていうことは未来の健康の財産にもなると思います。
またですね、アレルギー対応が必要になった場合に、生徒の命を守るためにも、養護教諭
また担任の負担軽減のためにも、毎日の給食について専門に担当する栄養士という存在は、本当に必要だと思います。
親子方式を採用している調布市に視察に行った際には、親校の小学校の栄養士さんが献立を立てていましたけれども、子校である中学校にも非常勤の栄養士さんが配置をされてですね、行事がある際に親校の小学校の栄養士さんと献立の相談をしたりですとか、給食の時間に教室を回ってアレルギー対応の生徒さんに間違えて配食がされてないかななども確認をされていました。
先月傍聴しました給食問題協議会でも、小学校の栄養士の委員のかたが、中学校でも全員の給食になったら、小・中学校、一貫して食育の実践ができることの期待を発言をされていたと思います。
さらにですね、子供たちからもそういった食育について問題意識が出されていることにも注目をししました。何かと言うとですね、2019年11月に行われた「高校生による事業評価キックオフミーティングの報告書」にあるんですけれども。
「小中学校に関することで課題、困っていること」に出されたものの一つに「小中学校全部に給食を。中学校の給食がお弁当給食なので、お弁当を選択する人がほとんど(コンビニで買ってくる人もいる)」というものが問題点として挙げられて、解決策には、「栄養のことを考えると、子どもはバランスのよい食事を食べるべきだから、小中学校すべてで栄養士が考えたメニューを提供し、食文化についても学ぶ。健康的な食習慣を身につける」という解決策が書いてありました。(冒頭画像参照)
ランチボックスは今でも栄養士さんが栄養を考えて献立を作ってくれているものですけれども。この高校生の意見を見て、町田の小学校には栄養士の先生が各校に配置をされていて食文化について学ぶことができて、そしてそれが健康的な食習慣を身につけることに繋がると、その高校生は町田の教育の中で見つけてきたんだなということを感じて、すごく感動いたしました。町田の小学校の食育の成果が、こうした意見に繋がっていると思います。ぜひ、栄養教諭または栄養士の配置については課題として前向きに検討していただきたいと思いますがいかがでしょうか。
学校教育部長:
繰り返しになりますが、栄養士等の配置につきましては、新たな提供方式の決定後に検討することであると考えております。
田中議員:
ぜひ前向きに検討をお願いして(4)のほうに移りたいと思います。早期に実証すべきというところで、2021年度に基本計画策定というご答弁がありました。中学生にとってどんな給食が望ましいのだろうかと改めて考えたときに、やっぱり小学校の給食っていうのは、子どもたちが毎日楽しみに食べていて、例えば入学式とかで、2年生や代表の6年生が1年生に対して「給食がおいしいよ」と紹介することが多くあるんじゃないかなと思います。
また、今年度はコロナ禍のもとで本当にご苦労されているなか難しかったと思いますけれども、これまで給食の食材を通じて地域の農家さんとの交流を行ったりですとか、そういった実践が行われてきたわけです。できるだけそういった、子どもたちに出来立ての給食を提供することへの工夫をしていただきたいですし、また「早期に」という点では今ある既存の施設を生かしたりですとかができる学校、できる地域から、全部一斉ではなくて、できるところから解消していくなど、各学校の状況に合わせた方法を検討していただきたいなと思います。
「できるところから始める」ということも選択肢の一つとして考えていただきたいですが、いかがでしょうか。
学校教育部長:
新たな給食提供方式につきましては、その方式が現状の課題の解決となるのか。また、各方式によるメリットデメリットの比較や、コストはどうか、実施までの期間はどうか、実現性はどうかなど、学校給食問題協議会の答申を踏まえ、柔軟な対応を含めて総合的に判断してまいります。
田中議員:
「柔軟な対応」というお言葉がありましたので、一つの方式を全部に当てはめるのではなくて、やっぱり町田の地域に即したそういった形をぜひ検討をしていただきたいなと思います。
子どもたちが喜ぶ給食の実現を求めて、これで質問を終わりにさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
(了)
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