調理者と子どもたちが繋がりを感じられるような給食の提供を――令和4年度第2回市議会文教社会常任委員会①

令和4年度第2回市議会定例会の文教社会常任委員会にて、給食関連の行政報告が2つ行われました。まずは、そのうち「中学校給食センター整備事業について」のレポートをお届けします。資料はこちら

議会録画から書き起こしたもので、正式な議事録ではありません。

●学校教育部 行政報告「中学校給食センター整備事業について」

(録画37:45ごろより)

委員長(議長):

給食センター整備事業についてを議題といたします。本件について、担当者の報告を求めます。


学校教育部長:

中学校給食センター整備事業について報告させていただきます。詳細は担当者から説明させていただきます。


保健給食課長:

それでは中学校給食センター整備事業について説明いたします。資料の1ページ目を御覧ください。

まず一つ目の項目は前回定例会以降の組織取り組みについてでございます。まず(1) PFI事業実施方針策定に見通しの公表についてでございます。4月15日にPFI法に基づいて、事業の名称・概要など所定の事項を掲げ、市ホームページに公表させていただいているところでございます。

次に「(2)公募型事業者対応の実施について」でございます。こちら13社と対話をいたしましたが、対話ではまず市の給食センター整備や事業者公募に関する基本的な考え方を示した上で、性能発注、選定基準における、事業者公募公募の留意事項などについて、参加した事業者からの見解を聞き取りました。

続いて(2)給食センター整備運営の事業概要についてでございます。まず(1)事業概要についてでございます。この表は、三つのエリアのセンターの整備運営の概要について記載をしているところでございます。

次に(2)事業手法・事業費についてございます。こちらでは、2021年度、昨年度ですね、実施いたしましたPFI導入可能性調査の結果に基づき、最適と判断した事業所、PFIですとかリース事業ですね、こちらの方の判断した事業手法および事業費を記載しているところであります。

1枚おめくりいただいて、(3)事業者公募手続きについてでございます。まず(1)公募実施の考え方でございます。一つめの〇は性能発注に対する事業提案でございます。

まず、仕様発注と比較して性能発注の方法を申し上げますと、例えば調理に関して仕様発注では、施設整備の条件に、この調理器具を何台設置するとか、こういう部屋を用意してくれというような形、あるいは運営の段階で、何人の調理員でこういう体制で調理してくれと、細かく行政側が発注の条件を提示しますが、性能発注では献立のイメージ、町田市の考える献立のイメージを確認した上で、4000食をもっとも効率的かつ質よく調理できる機器を整備し、運営体制を整えるといった提示の仕方を要求水準書で行い、事業者に施設整備・運営を一体で考えた提案を求めるところでございます。

二つめの〇は、積極的な自主事業提案への評価でございます。町田市の給食センターは中学校給食の提供とともに、地域や食に関する健康作り活動を多面的に提供することを目指しているところでございます。また給食センターの稼働率の向上を図る必要がありますので、そういったことを、事業者の選考にあたって、こうした課題を解決するための創意を生かした、多様な自主事業の提案を重点的に評価しよう、というふうに考えております。

三つめの〇が、PFI事業に限ったものでございますが、事業の安定性確保でございます。町田・忠生・小山エリア、南エリアの二つのセンターを一括してPFI事業として発注します。これによって事業の安定を図るとともに、事業費の削減効果を一層高めることができます。また二つのセンターを連携して稼働させることによってサービスの品質の均質化ですとか、広角的な事業の実施につなげていこう、というふうに考えております。

(2)選考方法でございます。一つめの〇は公募型プロポーザルによる実施でございます。町田市の給食センターのコンセプトを踏まえて、この給食センターの事業スキーム、資金調達のスキーム、運営方法など多面的な観点から事業者に幅広い事業の提案、技術提案を求めていくところでございます。そのため、性能発注および自主事業提案の2点を重視し、総合的に事業者を評価することができる「公募型プロポーザル方式」を採用していくというところでございます。

二つめの〇、事業候補者選考委員会でございます。事業提案の評価・審査については公平性、透明性、競争性を確保するため、学識経験を含む選考委員を設置し、優先交渉権者を選定してまいります。

続いて「(3)選考にあたり留意すること」でございます。一つめの〇は、学校給食というものは、毎日異なる献立を大量に調理するため、安全かつ安定的に供給できる能力のある業者を選定することが必要でございます。そのため、参加要件を次のように定めております。設計から調理までの各業務について、同等の給食センターの実績を有することを参加者に求めていきます。

ただし、実績を求めるのは、各業務、設計ですとか調理とか、各業務の主要業務となる各1社のみといたします。このことにより施設の整備から、運営まで、長い期間の中で幅広かつ柔軟に市内企業をはじめとする多様な事業者の参画を促す考えでございます。

二つめの〇は地域経済への貢献です。給食事業や自主事業ともに整備から運営までの各段階で、多様な市内の企業や団体とのコラボレーション、あるいは地域における雇用促進など地域経済の活性化に資する取り組みを求め、こうした提案を高く評価していこうというふうに考えております。

次に、実施スケジュールでございます。まず一つめの〇、PFI事業についてございます。7月1日にPFI実施方針、要求水準書の公表を予定しております。特定事業の選定を行った後、8月1日に公募を開始する予定でございます。そして12月に選考、1月に選定事業者の公表などを行った後に、候補者と基本協定を締結いたします。

次に二つめの〇、リース事業についてでございます。7月19日に公募を行い、10月に選考を行い、特定事業者の選定事業者の公表等を行います。ここで記載のある実施方針、要求水準書、特定事業の選定についてでございますが、ここでそれぞれの書類で明示する予定の内容はこちらの通りでございます。

最後に事業スケジュールについてでございます。12月に鶴川エリアのリース事業について、議会の行政報告を行った後、契約を締結したいというふうに考えております。3月にはPFI事業の契約や案件について議会に上程をさせていただきます。

以下、センターの稼働予定については、基本計画でお示した通りでございます。説明は以上でございます。


委員長:

これより質疑を行います。


木目田委員:

PFI事業者に対する要件みたいなのは代表質疑であったんですけど、いわゆるリース事業者に対する要求というか、同じ事業提案力、転換力でいいのかちょっと教えてください。


保健給食課長:

リース事業者についても、同じように性能発注方式でプロポーザル方式で提案を求めていくようになります。PFIと同じなんですけれども、運営を除いた部分についてなんですが、契約内容については。ただ施設整備の段階で、運営事業までを見越したことを整理しておかなければいけないので、その部分についても提案をしていただく予定でございます。


木目田委員:

あと先ほどのこの「性能発注」っていうところがしばしば出ていて、先ほどの説明でいくと、いわゆる学校給食とかだと結構「がっちりこういうものを作ってくれ」っていうよりも、ある程度先ほどの献立イメージというもので、これは要は事業者の融通性というか、提案力というかバッファを大きくする。いわゆる、こうじゃなければいけない、栄養士さんが決めたものじゃなきゃいけないっていうふうなものではないという認識でよろしいでしょうか。


保健給食課長:

いわゆる仕様発注っていうのは、まさしく何台オーブンを用意してくれとかそういうことをですね、資料に盛り込むんですけれども。今回PFIの発注につきましては、別に何台でも、そこは事業者のノウハウとか、経験によるもので。例えば3000食なり5000食なりっていうのをどういう風に作るのかっていうのは、それぞれの事業者の提案によるものですので。そこのバッファっていうんですかね、委員おっしゃったように。そういうことを踏まえたうえで、各事業者の創意のうえ提案をしていただくというものでございます。


木目田委員:

まぁこうこうこうしてくれっていうがっちり決めるよりは、その事業者の考え方によって極論すると、調理器具が少なくてもこなせるんだっていうんであれば、イニシャルコストを減らした事業者のほうが勝つかもしれないという。ここはもうだから、提案力という、まさに企画力みたいなところが必要になるってことですね。

あともう1個最後にSPCって、特定目的会社ってこれ、PFIのとき、必須なんでしたっけ。なんか、バイオエネルギーセンターのときにSPCだったような気がしたんですけど。


保健給食課長:

はい。必ずしも必須っていうことではないんですけれども、一般的には作られることが多いです。なぜならば、やはり市と事業契約をするのに、それぞれの事業者と契約するのは非常に大変ですので。まずはSPCと市で事業の契約をさせていただきます。あとは金融機関から見たときも、SPCに融資をするといういうことになります。いわゆるプロジェクトファイナンスっていう、コーポレートファイナンスではない事業に対してお金を貸し付けているということになりますので、SPCというのはその事業を行うための会社ですので。そういった意味からも、一般的にはSPCを作るケースが多いです。


木目田委員:

単なる企業連合体でやってもらうよりも、融資も発生するし、PFIという法律に基づいたものであるから、一つの目的会社を作ってくださいねという認識ですね。わかりました。以上です。


矢口委員:

レシピを考えるのは町田市の栄養士さんで、それを作ってくださいということですもんね。OKです、わかりました。


田中委員:

これまでの説明の中で企画力・提案力というところを重視するという答弁もあったんですけども、事業選定に当たって。中学校給食センターのコンセプトとして、例えば手作りのメニューを工夫するとかっていうところは、そもそものコンセプトというか、計画の中に入っていたと思うんですけれども。そういった、子どもたちにとってよりよい給食にするっていう、そういったところもやはり重視されるということでよろしいでしょうか。


保健給食課長:

そうですね、町田市の給食のコンセプトっていうのを、基本計画の中でお示しをしております。その中には「ぬくもり」という項目を入れております。これはどういうことかというと、作り手の込めた思いを感じられる。調理者と子どもたちが繋がりを感じられるような給食を提供していこうというようなコンセプトを持っておりますので、それを事業者のノウハウによってどう調理していくかっていうっていうのも一つの視点になると思いますし、いちばん大切なのは「子どもたちのために」ということで我々やっておりますので。そういったところで勧めています。


笹倉委員:

中学校給食センターが配置されるんですけれども、先日町田市内の中学校で給食提供の中止などがありましたけれども、例えばそういうときに、今後そういうことがあったときに、近隣の小学校の給食室との連携とかそういったことに関しては、何か計画はあるんでしょうか。


保健給食課長:

やはり給食提供に関する事故というのは、本当に子どもたちの生命に関わる、健康に関わるところですので、しっかりと安全安心にできるような事業者をまず選ぶっていうのが大前提になりますが、ただ、万が一そういった提供ができないということができますと、なかなか小学校からの提供というのは、食数が、桁が一つ違ってきますので。なかなかそこは難しいところかなというふうに思っています。


笹倉委員:

はい。そうしたら、中学校の給食センター同士での連携は考えられるということですか。


保健給食課長:

例えばですね、学校が提供するのが8校なり5校なりがありますが、例えば、休んでいる日があったりとかっていうので、余力がある場合に関しては考えられるかもしれないというところでございます。今後そういった何らかの不測の事態が発生した場合にどうするかっていうのも、検討を進めてまいりたいと思います。


笹倉委員:

ぜひその点は検討を続けていただきたいと思います。

あと、備蓄食料などの保管場所になるということも報告の中にもありましたけれども、災害時に、保管はしていて、実際に災害のときにどういう対応になるかっていうのは、給食センターの事業者ではなく、その件に関して町田市のほうでやっていくっていうことですかね。


保健給食課長:

災害時の機能に関しましても、事業者に、我々もこれに関してはある程度要件はしっかりと出したうえで、これに関しても、提案をいただこうかなというふうには考えているところでございます。

基本計画にもすでにお示しをしておりますが、備蓄っていうのは食料を含め、資機材に関してもそうですし、あるいは炊き出し機能、配送車両を使った地域への食料、あるいは防災資機材の配送。このことも我々の考えとしてはお示しをしておりますので、これを踏まえて提案をしていただき、一緒に形作っていこうと考えているところであります。


松葉委員:

最初の(2)で、先日公募型事業者対話の実施ということで13社が応募があったということなんですけれども。このうち市内事業者さんっていうのがいらっしゃったのか、確認したいと思います。


保健給食課長:

残念ながら市内事業者の参加はなかったです。


松葉委員:

わかりました。市内事業者さんの参入といいますか、工事とかそういうところではなくってその後ですね、例えば施設の維持管理だったり、例えば障がい者の方々が清掃をしたりとかっていうようなことなんかも考えられるかなと思うんですけれども。そういった、二次請け、三次請けっていうところでどのようにしたらいいかわからないっていうような声もあるんですけども。実際にそういう方々に対するアプローチというか、そういうのも含めてのPFIというところなんでしょうか。そういう大きなところだけではなくて、小さなところでの市内の方々の参画というところについて、お伺いしたいと思います。


保健給食課長:

まず我々の対話っていうのは、市内事業者からの対話であったり、独自の問い合わせでも構わないですし、どういった参加の形があるかとか、どういうふうにスケジュール考えていくかとか、これはもうどなたがいらっしゃってもしっかりと説明をしていくという体制で、今やってるところでございます。

実際に、先ほど説明させていただきましたが参加事業者については、やはり経験がないと、非常にこう、子どもたちの食のことですので。やっぱり実績を持っている事業者を求めていきたいと思いますけど。先ほどご説明したように、設計・工事・運営というところで、メインと、主要な1社に関しては経験を求めますが、1社だけでそれぞれの事業を完結しなければいけないというものではございませんので.。そういったところで一緒にパートナーシップを組みながら経験を積んでいただくっていうのも一つかなというふうに考えているところでございます。


矢口委員:

すいません小出しになっちゃって、最後にしたいと思います。食材購入っていうのは事業者がやるのか市がやるのか。その食材の安全についての責任、ちょっと前に関西のほうで給食用の精米をしているJAさんで鳩が中に住み込んで鳩のフンだらけっていう。この、全部の責任って結構難しい……そもそもそんなのありえないと思うんですけど、そこの食材購入の責任と役目は、誰がやるのか教えてください。


保健給食課長:

食材に関してまず、献立を作るっていうのは栄養士がやります。次のステップとして食材調達になってきますけれども、これはやっぱり事業者にもノウハウがあるわけですし、そこについてはそういったノウハウを入れながら、かつ、市の責任を一緒にパートナーシップを組みながら、よりよい方策というのを考えていきたいというふうに思っております。


委員長:

他にありませんか。これをもって質疑を終結いたします。以上でただ今の行政報告を終了いたします。

(了)

中学校によりよい給食とどけ隊@町田

東京都町田市の市立中学校の給食は、2020年現在約1割の利用率の選択制デリバリー給食。温かい全員制の給食を目指して活動しています。給食センター建設が決まりました。 メール➡︎machidanokyusyoku★gmail.com(★を@に) Twitter ➡︎@machidakyusyoku

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