東京都でもっとも食べられてない中学校給食
前回、町田市は、「完全給食」なのに、その実態は13.2%の生徒しか食べていないお弁当給食(デリバリー方式のランチボックス)であると書きました。
しかし、同じ選択制でも「小学校と同じような温かい給食」が実施されている調布市、武蔵野市、西東京市では、いずれも95%以上が給食を選択しています。家庭から弁当を持参している生徒のほうが圧倒的に少ないのです。
さらに、まだお弁当給食の東村山市、東久留米市、国分寺市でさえ、半数以上の生徒が給食を食べています。町田市だけが、突出して喫食率(注文率)が低くなっています。(*1)
生徒たちの本音は、「冷たい、おいしくない」「みんな頼んでないから」
町田市のお弁当給食は、1食310円です。310円で栄養バランスのよいものが食べられ、親や本人が作って持って行くなどの負担や心配がなければ、通常は給食を選ぶ家庭が多いはず。
実際、1年生の1学期にはお弁当給食を食べている生徒が結構いるそうですが、どんどんやめていってしまうのはどうしてなのでしょうか。
それは、小学校と同様の給食であれば出てこないはずの、次のような理由からでした。
・冷たい、おいしくない
衛生管理上の問題で一度冷やしてから運ばれてくるため、お弁当給食は冷たいのが最大の難点です。
昨年話題となった神奈川県大磯町のお弁当給食問題でも取り沙汰されていた通り、カレーも冷たい、脂が固まっているなど、温かいまま提供される小学校の給食とはかなり違いがあり、アンケート(*2)にも署名活動中の質問にも、ほとんどの生徒たちは「おいしくない」と答えています。
・取りに行くのに時間がかかる
校内の配膳場所が遠いため、「取りに行って帰ってくると、ほかの子がもう食べ終わっている」「食べる時間が短すぎる」といった問題が生じています。
学校によっては、給食を生徒が取ってきてから全員で「いただきます」と食べ始めるところもあり、給食の生徒が罪悪感を感じることもあるそうです。
・給食を食べている人が圧倒的に少ない
上記の原因から喫食率が減ったお弁当給食は、少数派だから嫌だ→ますます頼む人が減る、という悪循環に陥り、よくないレッテルが貼られてしまっています。
積極的に注文しにくい、安心して食べられないなんて……こんな給食のままでよいはずがありません。
食育の一環としての役割からも、食のセーフティネットとしての役割からも大幅に外れている町田市の中学校給食。
私たちはただ、小学校と同じような給食を、子どもたちに喜んで食べてもらいたいだけなのです。
*1 2017年度調査。2018年町田市議会第2回定例会、一般質問資料より
*2 町田市『中学校給食に関するアンケート』(2017年7月実施)より
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