センター整備までの間、現行方式で全員給食にすることは考えていない――令和3年度第1回市議会 一般質問③

町田市議会の一般質問のなかから、中学校給食に関する質疑に絞ってお伝えしています。今回は3/18の諸派 矢口まゆ議員分です。

※なお、議会録画より私どもが書き起こしたものであり、正式な議事録ではありません。
(画像はまちだ子育てサイト「中学校給食無料試食会アンケート結果」自由記述欄)

●諸派 矢口まゆ議員

矢口議員:
項目4、現在の選択制デリバリー中学校給食をもっと利用しやすくするために。選択制デリバリー給食については、喫食率が低いことから、喫食率向上のために様々な取り組みを行っているところであります。
給食センターの建設による全員給食を実施する方針ではあるが、実現までの間は現行方式の選択制デリバリー給食の提供を続けることになります。
現行方式の給食は、管理栄養士が考えたレシピメニューであり、味については非常においしいものだと私は感じております。
ただ、おかずの温度や改善のテーマについての課題。量の調整ができないこと。牛乳の有無を選べないことなど、保護者や生徒からは様々な要望があり、改善の必要や必要性があると考えます。
(1)昨年10月ごろから行っている喫食率向上に向けた取り組みについてなど年度いっぱい様子をみるとのことであったが、現在の喫食率はどうか。
(2)新方式の全員給食についての制度設計をしていく中で、新方式だけでなく、現行方式についても、教職員から意見を聞くと前回の議会で答弁があったが、具体的にどのような方法で意見を聞いていく予定か。

学校教育部長:
(1)についてでございますが、現行方式における中学校給食の喫食率向上に向けた取り組みとして、生徒の意見を反映させた新しいデザインの弁当容器を2020年10月から10校、2021年2月から9校に導入いたしました。
さらに、2020年10月からは生徒からリクエストのあった献立を毎月取り入れるとともに、全生徒に配布する献立表にリクエスト給食であることが視覚的にわかるようレイアウトを工夫するなど、給食利用促進のPRを行いました。
中学校給食の喫食率については、2021年1月の喫食率で1年生は11.5%、2年生は10. 5%、3年生は9%、全体では10.3%となっており、昨年同時期の2020年1月の喫食率9. 9%と比較して0.4ポイント上昇しております。
最後に(2)についてでございますが、全員給食・給食センター方式の導入について、各学校がスムーズに対応できるよう、学校や教職員、生徒などの意見を取り入れていく方法やその実施時期など、今後検討を進めてまいります。 
また、学校や教職員、生徒からの意見につきましては、現行方式の給食利用促進の取り組みにも参考にしてまいります。

矢口議員:
喫食率がなかなかやっぱり、いろいろ取り組みしてくださってるのは承知しているんですけども、上がらない状況かと思います。
10月からいろいろやってみて、今年度中に喫食率がどうだったか取り組みの結果を見たいということで、結果的に上がらなかったということなのかなと私は解釈しているんですけれども。じゃあ今後はどうやって、どんなことを取り組んでいくのか、というところが重要かと思います。今後、喫食率向上に向けてどのような取り組みをしようと考えていらっしゃいますでしょうか。

学校教育部長:
中学校給食の今後の取り組みといたしましては、生徒が作成したレシピや冷たくても美味しく食べられるメニュー、リクエストメニューなどを献立に取り入れてまいります。
また、カラーの献立表におすすめメニューをわかりやすく表示することや、給食や牛乳の栄養面など給食のよさについて知ってもらうことができるよう、PRしてまいります。さらに1年生には入学後、改めて給食の予約システムの紹介や利用方法について案内をして参ります。

矢口議員:
今ご説明くださった中で、今まで取り組んだことのない新たな取り組みというのはありますでしょうか。

学校教育部長:
はい。冷たくても美味しく食べられるメニューを新たに考案していくというようなことや、給食や牛乳の栄養面など給食の良さについて知ってもらうことができるよう、PRをしていくことが新たな取り組みだと考えております。

矢口議員:
冷たくても美味しく食べれるメニューというのもすごくいい取り組みだと思いますし、牛乳の栄養面でのPRというのも今、牛乳が(飲み残しで)残っている状況ということを考えると、必要なことだと思います。ただちょっと喫食率向上に本当に繋がるのかなっていうところで、この新たな取り組みについてもちょっと疑問があります。で、資料の15(矢口議員ブログ参照)を見ていただきたいんですけれども。
すでに実施済みのものと未実施のもの。お弁当容器のデザイン変更、リクエスト給食献立表の工夫などをすでに実施していただいてます。
今までいろいろ議論があったり意見があったりしたのが、牛乳の有無の選択、ご飯の量の選択。あと配膳を楽にしたい、おかずを少しでも温かくしたい。こういった声があったんですけど、また要望も多いと思うんですけれども、こちらは全部未実施という状況であります。これらについての実施はどのようにお考えでしょうか。
また、喫食率は現状何%を目指す考えでしょうか。
学校教育部長:
はい。牛乳の残量があることは承知しております。学校給食法施行規則においては、「学校給食は、完全給食・補食給食・ミルク給食の3種類に分類されており、このうち完全給食は給食内容が主食、おかず、ミルク」と規定されております。
町田市の中学校給食は、学校給食法に基づき完全給食を実施しているため、牛乳は必要なものであると認識しております。ただ、アレルギー等の健康上の理由で牛乳が飲めないかたがいることは想定されますので、そのようなかたに対して、対応できる方法がないか引き続き研究はしてまいります。
ご飯の量についてでございますが、学校給食実施基準で定められたエネルギーの量を確保するためには、現在提供している主食の量は適切であると考えております。
ご飯の量を選択することができるようにするためには、給食予約システムの改修を行うことや、利用者がシステム上で注文内容を選択していただくことが新たに必要になるというふうに考えております。
配膳につきましては、衛生面ですとか、給食時間の拡大等については引き続き研究を進めてまいります。それと喫食率の目標でございますが、現行方式については目標値を定めるということではなくて、給食を利用したいと思うかたが利用しやすい環境をさらに整えていくことが必要であると考えております。
給食センターを実施するまでの期間につきましても、より給食を利用しやすい環境を目指し、引き続き取り組みは進めてまいります。

矢口議員:
はい。その目標値ではなく利用しやすい環境を、利用したい人が利用できる環境というところで、私も基本的にそういった考えでいいのかなとは思ってます。ただ具体的な目標がないと、どこまでやるかっていうのもなんか難しいのかなと思っておりまして。利用したい人が利用できているかどうかって、結構難しい判断だと思っております。牛乳についてはこれから考えていきたいというところで、ありがとうございました。
ご飯の量について、エネルギーの量ということで考えているということなんですけれども、そもそも完全給食に何が何でも定義としてはめ込まなければいけないのかっていうところもちょっと疑問です。
というのも、そもそも選択制で給食じゃないかたも、家からお弁当持って来てるかたもいるわけです。そのかたがたがどういう栄養状況になってるのかってわからないので。完全給食であるために、というよりかは、生徒が利用しやすいようにというところを優先したほうが、どちらにせよセンター給食に移行してというところもあるので、いいのかなとは思います。この部分は意見にしておきます。
温度について、様々今調査を進めていただいて本当にありがとうございます。喫食時の温度っていうのを今調査していただいているところでありますけれども、調査の結果を簡単に。と、あと私も議会のたびに給食食べてますけど、まだちょっと……今日とか昨日ぐらいは温かかった。それなりにまぁまぁ、冷たくはなかったと思うんですけれども、まだ3月の初めぐらいだと結構外気温にたぶん影響されて「冷たいな」って思うときがあったんで、もともと3月まで(調査する)みたいな話だったんですけど、もうちょっと長く夏休みくらいまで温度も調査していただけたら幸いかなと思うんですけどいかがでしょうか。

学校教育部長:
はい。温度の調査状況でございますが、1つ目の取り組みとしては生徒が給食を食べるときの給食温度の調査を行っております。2020年、昨年12月から、給食を食べるときのおかず温度の測定を現在も継続しているところでございます。
12月から2月までの調査において給食の最も低い温度が13度、最も高い温度は16度でございました。2つ目として1月8日に配膳室の室温が給食温度に及ぼす影響について調査を行いました。
配膳室の室温を20度に設定し、学校に到着してから配膳するまでの給食温度の変化を測定したところ、給食が到着してから食べられるまでの時間、1時間15分で給食の温度が6度上昇していることがわかりました。
もう一つ、3つ目の取り組みとして、同一メニューにおける秋と冬の残さい率の調査を行いました。給食温度は10月よりも2月のほうが低かったものの、残さい率はどちらも1割以下であり、寒い時期による残さい率の影響はほぼ見られませんでした。
また給食の温度につきましては、食中毒菌が最も繁殖する20度を超えない適切な温度で管理をしていく必要があると考えております。温度の測定につきましては4月以降も行い、状況を確認してまいります。

矢口議員:
本当に時間を使って熱心に温度について調査してくださり、ありがとうございます。これから引き続きまだ調査を続けていただけるということで安心いたしました。よろしくお願いいたします。
ちょっとこのデリ弁、現行方式の給食についてのお考えを聞きたいんですけれども。センター給食への移行期間のときには全校一斉にセンター給食になるわけではないので、やっぱり受注数が減ってしまうというところがあると思います。今も、ただでさえ(喫食率が)1割ぐらい、低いという状況で、万が一もしかすると受注数がすごい減っちゃって、センター始まると委託先が見つからないみたいな、不安を煽りたいわけじゃないんですけど、そういった事態になることが少しあり得るのかなとかちょっと思っております。こういった状況について、そうなったらやむを得ないと考えるのか、もしくは何としてでもやっぱりこの今の現行方式の給食もセンター移行期間中も続けるべきとお考えなのか、そこの認識についてお伺いします。 

学校教育部長:
はい。現行方式の給食につきましては、給食センターが整備されるまでの間は継続していきたいと考えております。現行の委託事業者が撤退されることがないように、業者とは調整を行い給食センター移行までの間は安定的に給食を提供できるようにしていきたいと考えております。

矢口議員:
今続けていくようにということで、お考えを聞かせていただきありがとうございました。安心しました。
資料の18番を見ていただきたいんですけれども、センターの移行途中で、どうしてもセンターの配膳室を各学校調整すると思うんですね。食缶や食器を運べるように。そうなると今までの配膳室が広くなって、多分今の選択制の弁当給食を全員分置くスペースもできてくると。ただ、まだセンターの給食は開始されてないみたいな、そういった移行期間中の学校が発生してくると思うんです。保管スペースさえあれば、今の中学校の現行方式のデリ弁給食も全員で喫食できると思うんですね。喫食率が低下してしまうとやっぱり委託先に対してちょっと申し訳ないというか、そういったところもありますし、状況がどんどん悪くなって単価も上がってしまうというデメリットもありますので、例えば移行途中の学校で、すでに配膳室の整備が終わった学校については、先にデリ弁で全員給食をやっていくみたいな、そういったお考えありますでしょうか。
というのも実際に保護者のかたからですね、学校給食問題協議会の委員さんからですね、「現行のデリ弁で全員給食でいいじゃない」みたいな発言もあったりしてですね、意外と望むかたもいるのかなと思うんです。このあたりのご見解をお伺いします。

学校教育部長:
はい。給食センター方式の導入に合わせて配膳室の整備を行っていくことは想定しておりますが、配膳室の整備スケジュールにつきましては今後の検討となります。1カ所目の給食センターについては2024年度の稼動を目指し、残りの2カ所についても早期に実現できるよう取り組んでまいりますので、その間全員給食ということは現在のところ考えておりません。

矢口議員:
もう2カ所も早急にということでそのお気持ちは本当嬉しいんですけれども、ただ年単位での整備となるので、その間にやっぱり喫食数がすごく減ると、1食当たりの負担も増えるということで、そのあたりをもう少しいろいろ今後検討いただければと思います。
すごい細かいことになっちゃうんですけど、今回給食無料試食会事業のアンケート結果を改めて見ていたんですけれども。資料の17番になります。自由記述欄のところで、自由記述欄て本当にその人たちが望んでいることがストレートに出てくるところだと思ってるんですけども。その中で箸を変える等の意見、というのが回答数15件と結構多くて。
私も箸使ってるんですけども、木の箸でちょっと先が丸くなってて…ちょっとですね、清潔なのはわかってます、綺麗で汚れてたことも一度もないんですけれども、生徒さんたちからの気持ちとしては箸が、もうちょっとなんか見た目がいいともしかしたらいいのかなと思うんですけど、箸について改善できたりとかしないでしょうか。

学校教育部長:
中学校給食で使用している箸は、小学校と同様の種類の箸を使用しております。使用済みの箸は毎日洗浄乾燥を行い、衛生的に管理しております。木製の箸であるため、色合いが箸ごとに異なることがありますが古くなったものは定期的に入れ替えるなど対応しております。
ご意見としては15人のかたからご意見いただきましたが、現在のところは変更する予定はございません。

矢口議員:
はい。これからまた改めて喫食率の向上というか、みんなが使いやすいようにってことでいろいろ考えてくださると思うんですけれども。改めてこのアンケートの結果をよく見て、自由記述欄のところもよく参考にしながら進めていただきたいと思います。今、小学校と同様のものを使ってるってことだったんですけれども、お弁当の子はやっぱり給食の子と中学校では別れるわけで、お弁当の子は家からプラスチック製のキラキラした、透けたような色のおしゃれな箸を使ってたりして、その中で、本当に今の箸も全然悪いとは言わないんですけど、木製の先が丸い感じの箸を使っていて、そこも心情的にあるのかなと思いますので、今後は入れ替えのときに例えば順次新しい、違うデザインのものにしていくとか、そういったことも考えていただければと思います。
(了)

中学校によりよい給食とどけ隊@町田

東京都町田市の市立中学校の給食は、2020年現在約1割の利用率の選択制デリバリー給食。温かい全員制の給食を目指して活動しています。給食センター建設が決まりました。 メール➡︎machidanokyusyoku★gmail.com(★を@に) Twitter ➡︎@machidakyusyoku

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