センター候補地は旧忠生第六小・東光寺公園調整池・金井スポーツ広場――令和3年度第2回市議会一般質問①

町田市議会令和3年度第2回定例会(6月議会)で、中学校給食センターの整備計画についてさまざまな会派の方々が質疑をしてくださっています。その内容をレポートします(質疑通告書はこちら)。

まずは、6/10の本会議の自由民主党いわせ和子議員の一般質問です。

議会録画から書き起こしたもので、正式な議事録ではありません。


●自由民主党いわせ和子議員

いわせ議員:

1項目めの「中学校給食センターによる全員給食の早期実現を求める。」の答弁者に、できましたら教育委員会にも答弁いただきたくよろしくお願いいたします。

石阪市長の市政方針のなかで、「未来へつなげる投資、町田のポテンシャルをさらに引き出す投資を的確なタイミングで行う」と述べられていました。これには、財政状況が厳しい中でも町田市の未来のため、そして自律的な行政経営を実現するために歩みを止めない、と市長の強い決議をお伺いしました。その一つが、この中学校給食センターの取り組みだと私は認識しております。

第1回定例会の代表質疑では、中学校給食についてお伺いした際に、市長からは「給食センターについては市内3ヶ所に建設する予定で、大きく分けて南、北、中央を想定している。旧忠生第六小学校は市の中央に位置しており、センターの設置に適している場所だと考えている。またこの場所は健康増進関連拠点として活用を予定していたエリアで、食という切り口でいうと給食センター機能を活用して、学校給食にとどまらず、地域にも食のサービスを提供することで、健康増進に寄与できる。1ヶ所目の候補地は旧忠生第六小学校へ建設する方向で、今後検討していく。建設費用については、仮に1日4000食を賄う規模で想定すると、約25億円程度と考えている。 」と、このような答弁をいただいておりました。

質疑をしてからまだ3ヶ月しか経過しておりませんけれども、3箇所の建設候補地、決まりましたでしょうか。お聞かせください。


市長:

先月、21年5月の町田市公共施設等マネジメント委員会におきまして、市内3ヶ所に配置する予定の中学校給食センター建設候補地を選定いたしました。建設候補地は旧忠生第六小学校、成瀬クリーンセンターの西隣にありますが、東光寺公園調整池。それから、金井スポーツ広場として活用しております学校用地の3ヶ所といたしました。

建設候補地の選定にあたっての考え方をご説明いたしますと、まず、市内中学校の全ての生徒、教職員に対して給食を提供するためには、給食センターの調理の食数を1万2000食から1万3000食とすることが必要になります。

また学校給食衛生管理基準に則り、調理してから2時間以内に生徒が食べ始める必要があるということから、市内の交通渋滞等の状況を考慮いたしますと、各学校への配送にかけられる時間を45分以内とする必要がございます。

市内にはまとまった規模の市有地が大変少なく、市内の中学校に効率的に配送できる適当な場所を見つけることには大変苦慮したところでございますが、このたびこれらの条件に合う候補地を選定することができました。

まず1つ目の旧忠生第六小学校につきましては、令和3年第1回定例会でも触れたところでございますが、町田市木曽山崎団地地区まちづくり構想を踏まえまして、スポーツの場を含めた健康増進関連拠点の形成に取り組む中で、食による健康増進の観点から、給食センターの整備に取り組んでまいります。

2つ目の南地域のための給食センターの建設候補地であります東光寺公園は、成瀬クリーンセンターの西隣、恩田川沿いにございます。約3000平方メートルの都市公園区域のうち、約2000平方メートルを、要するに雨水調整機能として維持しながら、この調整池の上方空間を利用しまして、給食センターを整備したいと考えております。公園部分につきましても、給食センター整備と同時に、使いやすくリニューアルを図ってまいります。

3つ目の金井スポーツ広場につきましては、グランド部分は存続させつつ、北東の角にあります現在のテニスコートおよびゲートボールコートとして利用されている部分、ここに鶴川地域の中学校に届けるための給食センターを整備してまいりたいと考えております。

このように3ヶ所の給食センターを市内に分散配置することで、全ての中学生に温かく、おいしい給食を届けるとともに、地域生活にも積極的に関わりを持ちながら、食の拠点として、地域の中で機能をさせてまいりたいと考えております。


いわせ議員(再質問):

市長から、中学生たちに温かくおいしい給食を届けるとともに地域生活にも積極的に関わりを持ちながら、食の拠点として地域の中で機能させていきたい、との答弁がございました。

まず、中学校における全員給食導入に際して、改めて給食センターを市内3ヶ所に分散配置する意義、また効果をお聞かせください。


学校教育部長:

給食センターを3つに分散して配置すると、大きく3点の意義効果があると考えております。

1点目は、できたての給食をなるべく早く生徒たちに届ける点でございます。衛生基準を踏まえつつ、配送時間をできるだけ短くして、できたての温かい給食を早く届ける点から、3ヶ所に配置することで、45分以内に収めることが可能になります。

2点目はリスク分散の観点でございます。1ヶ所で集中的に調理する体制ですと、不測の事態で給食センターの運営に問題が生じた際に、市内全ての給食がストップしてしまうことになります。全員給食の安定的な運営の面でリスク分散を図る点で、分散配置は効果的でございます。

3点目は、地域防災上の効果でございます。食料備蓄や炊き出し機能など、給食センターに、食に関する防災機能を搭載し、地域に分散して配置することで、それぞれの地域の防災力向上に寄与いたします。

その他、1万食規模のような大量調理では、大量の食材をまとめて仕入れる必要があり、食材も大規模流通に頼らざるを得ない面がございます。今回のように3000食から6000食規模と、ある程度規模を小さめにとどめたほうが、地産地消の取り組みにも繋げやすいという効果も想定されます。

地域の暮らしを支える、食と健康づくりの拠点をそれぞれの地域に新たに埋め込んでいく視点で、引き続き3ヶ所整備の効果を最大化できるよう取り組みを検討してまいります。


いわせ議員:

はい。中学生たちに、できたてのおいしい給食を届け、さらに地域の皆さんにも積極的な利用をしていただけるものにするには、3ヶ所の設備が適切であるということを理解させていただきました。

今回3つの建設候補地が示されましたが、それぞれの選定の経緯や今後の方向性を確認させてください。

1つ目の旧忠生第六小学校については、我が会派からの「健康増進関連拠点として活用を予定している第六小学校学校に、食という視点から、給食センターを新たに加えてはどうか」という提案が受け入れられたものと捉えております。

これまで忠生第六小の跡地においては、都市計画をクリアするのが難しいという課題があったと思います。給食センター整備におけるこの課題への対応はどのようになっているのかお聞かせください。


都市づくり部長:

旧忠生第六小におけます都市計画上への課題の対応方法についてということでございますが、今回の旧忠生第六小学校の跡地活用をはじめ、今後の公共施設再編におきましては、施設の多機能化や複合化や民間とのコラボレーションなど、様々な切り口から地域の拠点として機能させていく工夫が求められていると認識しております。

しかし、新たな公共施設のあり方や市有地の活用方策を検討する中で、施設の立地と導入機能に関しまして、用途地域をはじめ都市計画上の不整合が課題となる場合もございます。

そこで今後取り組むべき公共施設再編という重要課題に対応するため、用途地域などの制限を緩和する都市計画制度の検討を開始いたしました。

2020年1月の町田市都市計画審議会に諮問をいたしまして、現在は公益性や地域貢献性の高い施設に限り、特別に用途地域などの制限を緩和する都市計画制度についての議論と、その承認を得るため、国土交通省との協議を並行して進めているところでございます。

今後につきましては、2021年度内に用途地域などの制限を緩和する都市計画制度の方向性を定め、来年2022年度の町田市都市計画審議会に諮問し、同年度内の運用開始を目指してまいります。


いわせ議員:

はい、ありがとうございました。

2つ目の南成瀬の東光寺公園は、調整池の上の空間を利用して整備するという答弁を先ほどいただきました。なぜそのようにするのかをお聞かせください。


学校教育部長:

南地域、成瀬地域には準工業地域が一定程度ありますので、準工業地域内に立地させることができないかを優先して検討してまいりましたが、まとまった用地が非常に少ない状況でございました。

東光寺公園は現在、調整地部分を含んで都市公園の指定がされておりますが、中学校全員給食の早期導入という公益性の高い目的を鑑み、街区公園として開放している大きさと調整池の機能を維持しつつ、複合的に土地利用を図ることができないかと考えたものでございます。

雨水調整機能を損なわないように工事を進めていく必要がありますので、どのような構造・工法とするべきか、今後検討を深度化してまいります。


いわせ議員:

鶴川エリアの給食センターは金井スポーツ広場の一角に整備するとのことですが、金井スポーツ広場は、新たな学校づくりにおける新学校候補地となっております。

その将来利用を鑑みますと、給食センターとして10年程度の利用となることが想定されますが、この場所に給食センターを配置することとした理由を確認させてください。


学校教育部長:

はい、議員のおっしゃる通り、金井スポーツ広場は新たな学校づくりにおける新小学校の候補地としており、2039年に新たな小学校の開校を計画しております。

給食センターの建設候補地の検討に当たりましては、鶴川地区をくまなく探しまして、金井スポーツセンターヘ広場以外に、現時点で土地利用していないまとまった規模の市有地がなくて、将来的に学校統合がされた後の学校跡地を活用するほかない状況にあります。

中学校における全員給食を導入するに当たりましては地域によって著しい著しい差を生まないようにすることが必須でございますが、学校統合後の給食センター整備となると、鶴川地域に全員給食を導入する時期が10年近く遅れてしまうことになってしまいます。

他方、鶴川地区内の現在の小中学校の施設状況からすると、自校方式や親子方式での中学校給食導入は不可能でございます。

こうしたことから、新しい小学校が設置されまでの間、10年程度の稼働とはなってしまいますが、金井スポーツ広場として利用している学校用地の一角を先んじて活用いたしまして、給食センターを整備することが適当と考えたものでございます。調理機器の適切な交換時期はおおむね10年程度とされており、建物をリース方式にするなどして、イニシャルコスト、ランニングコストともに極力効率的なものにする方策を検討してまいります。


いわせ議員:

そうですね。鶴川地域だけが給食導入が遅れるということは避けるべきであります。 また、土地利用の状況からはやむを得ないのかなと考えますが、答弁にもありました通り、短期間で極力効率的な施設整備と運営となるよう、さらに検討していただきたいと考えます。

また、金井スポーツ広場は宅地にも近いわけですけれども、どんな配慮を考えているのかお聞かせください。


学校教育部長:

給食センターは、グラウンド部分ではなく、北東の角のテニスコート・ゲートボールコートに利用されている一角を活用いたします。 この場所は低層住宅地と十分な距離がとれること、グラウンドから一段下がった地形であり、圧迫感の軽減を図れること。北側の幹線道路に直接出入りが可能であることから、周辺住宅地側への影響を抑えることができると考えております。グラウンド部分については引き続きご利用いただくことが可能でございます。

スポーツ広場の運営委員会や町内会へのご相談を開始しており、ご意見を踏まえながら丁寧に進めてまいります。


いわせ議員:

ぜひですね、継続した丁寧な説明、説明と調整をお願いしたいと思います。

さて、給食センターは中学生に給食を届ける施設ではありますけれども、例えば夏休み中には、学童保育クラブに給食を届けるなど地域の多様なニーズに応じて、センターの機能をフル活用して、多角的な運営を考えてみてはいかがでしょうか。


学校教育部長:

給食センターの導入に当たりましては、中学生はもちろん、多くの人に栄養バランスを取れた給食を食べてもらえる機会を設けられたらと思っております。

中学校に配食しない土日や夏休みなどは施設のメンテナンスを要する期間を除き、ニーズに応じて、中学校以外の施設に配食することは十分可能と考えます。

実施に繋げるには、配送先等の様々な運用上の調整が必要になると想定されますが、先ほどのご提案も踏まえまして、地域の声を汲み取りながら、学童保育クラブを含めて多方面への配食の可能性を今後探ってまいりたいと考えております。


いわせ議員:

はい、ありがとうございます。学童保育クラブの長期休暇等に昼食を届けるということで、ぜひともですね、こちらのほう、しっかりと取り組んでいただけることを希望いたします。

あとこの給食センターの施設の有効活用という視点で見ますと、様々な配食ができると考えます。夏休みに、今申し上げました学童保育クラブに昼食を給食を届けるなどの対応がその一つとなります。また、レストランみたいなものが設置されたら、地域の方々や高齢者の方たちに中学校給食を学食のように楽しんでいただく。まぁどういう形式かは地域の声を反映しながらの取り組みとなると思いますけれども、給食センターといえども地域の憩いの場となることを切に願います。

ではこの項目最後の質問とさせていただきます。前回の定例会では、2024年度中に1ヶ所目をスタートさせるとの答弁がございました。中学生の健やかな育ちのために、また地域によって導入時期の差がないようにできるだけ早く、町田市全体での全員給食の開始をしてもらいたいと思っております。

ここで建設候補地の方向性が定まり、計画の具体度がさらに増してきたと感じておりますが、改めて全員給食導入の目標時期はいつになるのか、お聞かせください。


市長:

このたび、建設候補地の3ヶ所が定められております。そういう意味では中学校全員給食に向けて準備が一段進んだものというふうに受けとめております。今年度中、2021年度中には基本計画をまとめます。来年度2022年度には設計建設関係の事業者を選定して、速やかに整備に取り掛かるつもりでございます。お尋ねの稼働時期の問題でございますが、これは既に答弁させていただきましたが、1ヶ所目は2024年度中に稼働させる。2ヶ所目と3ヶ所目につきましても、同時並行に進めていきたいというふうに思います。したがいまして、翌2025年度中にはそれぞれ稼動させたい、中学校全員給食の導入を完了させていきたいというふうに思います。

中学校給食について私見でありますが、全員給食ということでございますので、全ての市内全ての中学生が栄養バランスの良い給食を食べること、あるいは食と健康の知識を身につけること。さらには中学を卒業して大人になった後も、良い食事とはどういうものかとか、食を正しく選び取る力ということ。これは日本の伝統的な食事の仕方でもあるわけですが、健康的に人生を送るための基礎的な能力というんでしょうかね、そんなものを培っていきたいと、そんなふうに考えております。


いわせ議員:

はい、ありがとうございました。日本の伝統的な食事の仕方、基礎的な能力を培っていく、と市長の言葉をいただきました。

この事業、本当に期待しておりますので、よろしくお願いいたします。

(了)

中学校によりよい給食とどけ隊@町田

東京都町田市の市立中学校の給食は、2020年現在約1割の利用率の選択制デリバリー給食。温かい全員制の給食を目指して活動しています。給食センター建設が決まりました。 メール➡︎machidanokyusyoku★gmail.com(★を@に) Twitter ➡︎@machidakyusyoku

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