令和3年度第4回市議会定例会レポートをお送りしています。一般質問5日目、12/8の保守の会の白川哲也議員の質疑についてです。
通告書はこちら。
※議会録画から書き起こしたもので、正式な議事録ではありません。
●保守の会 白川哲也議員
白川議員:
中学校給食についてです。第3回定例会の際に確認しきれなかったので、改めて伺いたいと思います。来年3月に基本計画が策定されるということで、だんだんとその詳細が見えてきたところだと思います。とりわけこれまでも、費用面や投資対効果という観点で話をきいてまいりましたので、引き続き同様の趣旨で以下3点について確認したいと思います。
(1)給食センターのコスト削減についてはどのように検討しているか。
(2)整備手法についての検討状況はどうか。
(3)給食センターとしての機能以外の付加価値についての考え方は。
学校教育部長:
まず(1)と(2)にあわせてお答えいたします。給食センター整備において、事業コスト削減に大きく繋がると期待できるものの一つとして、民間活力を活用する事業手法の採用がございます。そこで、官民連携手法の導入可能性を調査することといたしまして、給食調理や建設関係などの事業者へのヒアリングを実施したうえで、事業手法の検討を行い、PFI手法を活用することの有効性を確認いたしました。
PFI手法は、他市の給食センターでも多く活用されている手法で、施設の計画、設計から整備、運営までを長期的に一貫して取り組むことができます。そのため、早期に施設を稼働させ、かつ安定的・効率的な運営ができる手法といえます。また、民間事業者の創意工夫により、全体事業費を5%程度削減する効果も期待できることが試算できました。PFI手法につきましては、市ではこれまで実績のない官民連携手法ではございますが、今回の給食センター整備におきまして、他市事例も参考にしながら取り組んでまいりたいと考えております。
また、金井スポーツ広場に設ける給食センターは、10年間程度の時限的な施設となるため、PFI手法ではなく、リース方式により効率的に整備していく予定でございます。
また、給食センターは、一般の調理工場と比べて、稼働率が低いことが言われており、PFIなど官民連携手法の活用によって、地域に配食をしたり、長期休暇期間を使って、稼働率の向上に繋がる事業展開を図ることで、運営コストが削減できると考えております。
その他のコスト削減策といたしましては、食数と配送コンテナのサイズの設定について、最新の生徒数推計に合わせて想定調理食数を減ずるとともに、食器と食缶を2段階で配送する方式を採用することにより、コンテナサイズを小さくとどめるなど、センターの規模を抑えるための様々な工夫を検討しているところでございます。
最後に(3)についてでございますが、これまで中学校の全員給食で目指す姿、給食センターの基本性能や配置計画、運営の工夫点などについて検討を進めてまいりました。そして、12月1日に給食センター整備に関する基本的な考え方をまとめたところです。
その中で、中学校給食センターが目指していく姿を、「魅力的でおいしい給食を中学生たちに届ける」と「地域と繋がり合い、新しい価値を生み出し続ける」の二つの柱立てからなる、「食を通じたみんなの健康づくり拠点」と設定いたしました。
この二つ目の柱の「地域と繋がり合い、新しい価値を生み出し続ける」につきましては、中学生に限らず、多くの人が給食を食べる機会や、食に関する学び、体験の機会を積極的に設けることで、給食センターが地域の健康増進の中心となることを目指しているものでございます。加えて、災害時にも地域で食を通して活躍できる施設としてまいります。
このように、新しい給食センターが食を通じたみんなの健康づくり拠点としまして、地域に根ざした施設となるためには、民間事業者の柔軟な発想や事業展開力を取り入れ、より魅力的な事業へと具体化していくことが重要であると考えております。
白川議員:
従来の方式と比べて、そのPFIのほうがどれぐらい総事業費で削減できるのかと言う視点、5%というお話がありましたが、バリューフォーマネー、VFM(注:「「支払に対して最も価値の高いサービスを供給するという考え方」。内閣府資料による)という視点かと思っております。
給食センターについては、他の自治体でもこのPFIの事例は数多くあると思っております。内閣府がまとめた資料において、過去の学校給食センターのシミュレーションの段階ですけども、特定事業選定時の平均VFMは約9%。実際この事業者選定時の平均VFMは約16%となっており、削減率の設定にあたっては、今5%という話があったんですが、10%ぐらい見込んでもいいのかなという想定もあったんですけども、5%としているところの見解についてお伺いしたいと思います。
学校教育部長:
お示ししました5%程度という数値につきましては、今現在導入可能性調査を行っている検討中の数値ではございますが、現在給食センターの整備を、同じくPFI事業で進めている立川市、平塚市共に導入可能性調査の段階でVFMは同じく5%程度でございます。
こちらのほうの内閣府の資料のことだと思うんですが、かつて出されてあったという9%、16%というのが、内閣府の地方公共団体向けサービス購入型PFI、事業実施手続簡易化マニュアルっていうのにちょうど9と16というのが載ってますので、こちらが平成26年、2014年の資料なんですね。
こちら2014年当時というのは、ちょうど国がPFI、PPPとかを優先的に導入しなさいっていう、そういう指針を出したところで。例えば人口25万人以上の都市の場合は、1億円以上の建物を建てるときは必ずそれを簡易に判断しなさいと、そのために出されたようなマニュアルになっています。正直言いまして、こちらに使われている数値というのが、果たして本当に厳密にこれで出るのかというところがあります。実際問題こちらのほうで扱っている数値で計算をすると、町田市の給食センターの場合でも約11%という数字が出ております。実際に最も大きな違いっていうのが将来の金利推移の見込みとかが、こちらのほうでは4%という形でやって(出て)るんですが、実際は0.2-3%とか、そういうような数字でやってますので。そういうところでだいぶずれてきてまして、近年のPFIの導入可能性調査におきましてはVFM、バリューフォーマネーの値を3から5%程度で算定される例が多いので、今回算定された数値約5%というのは、極めて平均的な数値だと捉えております。
白川議員:
はい、よく理解できました。やはり精緻に計算した結果、今現在、先ほど私が出した数字、確かにその資料がなかなか見当たらなくて、結構昔の数字だなと思っていたんですけども。その精緻に計算したら5%くらいが妥当であるというお話だったかと思います。理解できました。ただやはり極力費用負担が軽減できるよう、引き続き努力していただければと思っております。
次に、PFI導入は経費の削減とともにキャッシュフロー上のメリットもあるかと思っております。その初期投資の費用であったりとか、維持費など削減して財政支出の平準化などのようなことが図られるかと思うんですけども、民間の資金を活用という点でのメリットをどう捉えているか、お伺いしたいと思います。
学校教育部長:
当然、公共側の財政支出の面でも長期の事業期間をいかすということで、支出が平準化できる、そういうようなメリットがございます。その他にもPFI手法を用いることで、民間事業者が金融機関から資金調達する、そういうことになるために、事業が適正に遂行されているか、貸付した金融機関のほうからの監視機能が働くことが大きな特徴の一つでございます。
長期にわたる事業をモニタリングしていく際に、発注側とあわせて金融機関も一緒に事業を見守っていく、そういう体制を確保できるのは、PFIとしての大きなメリットだと捉えております。
白川議員:
メリットについて理解できました。それとともにこのPFIのデメリットなんかを調べてみると、今話した銀行などがかかわってくるので市場から資金を調達するので、やはり金利負担が課題になるというような指摘もあります。
例えばその熱回収施設であれば、当時DBO方式ということで低金利というメリットがありました。今回PFIの手法の中でもBTO方式ということで、今言ったその資金調達のことによる金利のデメリット面というのもあるかと思うんですけども、その点についてはどのように捉えているのかお伺いしたいと思います。
学校教育部長:
まずですね、熱回収施設のDBO方式というのは、PFI手法に似た手法ですけども、こちらのほうはPFI法には関連しないというので、厳密にはPFIではなくて、それに似た方式ということになっております。質問へのお答えになりますが、建設費は国費や市債の特定財源の部分と、それ以外の一般財源として支出する部分に大きく分かれます。この場合一般財源として支出する部分、これは町田市が整備する従来方式とかDBO方式では、施設が竣工するまでのタイミングでまとめて支出しなければいけない、そういうことがあります。一方PFI手法では、先ほども平準化ということを言っていましたが、この通常、一般財源として支出する部分を民間事業者が資金調達を行って、その後約15年ほど、今回の場合15年を考えているんですが、市民サービスが提供される事業期間にあわせて、公共側が分割してお支払いしていくことが可能になっています。
給食センターは国費の充当率が実際の事業費の約1割程度と、非常に低くて、これに連動して市債に充当できる割合も低くなることから、他の都市整備の施設と比べて事業費に対しまして、一般財源の割合が比較的大きくなってしまうものと想定されています。資産上は建設費の約4割弱が一般財源になってしまうんじゃないかというふうに考えております。
こうしたことから、財政支出を平準化することによる効果が大きいものと捉えております。
またPFI手法では、民間が資金調達する額に対して金利が上乗せされますが、先ほど答弁いたしましたVFMの値はこうした金利負担分も含めて定量評価を行っているものでありますから、一般財源の財政支出15年という長期において平準化できる点からも、またその金利分を入れても、そういうVFMが出るというところからも、事業手法として採用する効果が高いものと捉えております。
白川議員:
先程のメリットの部分の享受が大きいということで、多少デメリットがあっても全然メリット面が大きいよという話だと思います。理解できました。
さて時間もあまりないので給食について最後にしたいと思いますけども、第1回定例会で確認した、1食あたりの費用というものは、どの程度になるのか。今もうだいぶ具体的な数値がもろもろ出ているので、計算も可能だと思うんですけども。やっぱりこの1食あたりいくらっていうのは市民にとって一番わかりやすい数値だと思うので、ぜひお示ししていただきたいと思うんですがいかがでしょうか。
学校教育部長:
はい。本事業にかかります1食あたりの単価につきましては、現在適切な算定方法を、現在でもまだ検討しているところでございます。今回来年3月に公表する予定の「(仮称)町田市中学校給食センター整備基本計画」におきまして、一食あたりの総単価についても記載していく予定でございます。
白川議員:
わかりました。じゃあそれまで待ちたいと思います。すいません、ありがとうございました。
(了)
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