現状の中学校給食で「食育ができている」!?――教育委員会での請願審議詳細


6月3日、町田市役所10階会議室で、私たちの想いに賛同してくださった請願者2名による中学校給食の請願に関する意見陳述と、教育委員さんによる審議が行われました。
傍聴席は数多く用意されており、いつもより15分前倒しで受付が行われ、報道関係者と50名近い傍聴者が固唾をのんで見守りました。


請願: 「町田市の中学校給食の実施に関する請願」 
① 教育(食育)の実践のため、中学校での全員給食実施を検討して下さい。 
② 中学生の食物アレルギーに対応するため、デリバリー方式ではなく、自校/親子/センター方式による給食の実施を検討して下さい。


請願の詳しい内容はこちらで確認いただけます。


意見陳述では、小学生を子育て中の母親2名が、食育の大切さや町田市の小学校給食のすばらしさを、知識と経験を交えて計10分間語りました。

市議会とは異なり、教育委員からの質疑は出ず、すぐに審議が行われました。
それぞれの答弁や意見の内容を簡単にまとめます。

●願意の実現性について(学校教育部長)

町田市では、2005年から弁当併用外注方式を導入し、生徒が自分の判断で弁当か給食かを選べる選択制としている。

①請願項目1について

「学校給食法」では、学校給食は「努力義務」である。
また「食育基本法」では「地方公共団体は、基本理念にのっとり、食育の推進に関し、国との連携を図りつつ、その地方公共団体の区域の特性を生かした自主的な施策を策定し、及び 実施する責務を有する。」としている。

「新学習指導要領」では、「給食の時間を中心としながら、成長や健康管理を意識するなど、望ましい食習慣の形成を図るとともに、食事を通して人間関係をよりよくすること。」としている。

町田市は全員給食にはしていないが、そのように法令や学校給食実施基準等を遵守し、町田市の実情に合わせて選択制として給食の利用できる機会を設けている

食育については、給食の時間のみならず特別活動や技術家庭科など教育活動全体を通じて指導を行っている。

②請願項目2について

現在の町田市の小学校給食も業務委託であり、個々の食品全てに対しアレルギー対応できないため、弁当持参となっている小学生もいる。自校、センター、親子方式にしたところで解決するものではない。

さらに、それらの方式に転換するには多額の費用、用地、配膳時間確保などが必要となるため現実的ではない。

現在、学校給食問題協議会内で協議し、デリバリー給食の改善に努めているところである。


●教育長の意見

学校教育部長と同じで、願意に沿えない。

2学期からの実施を予定している無料試食会で、現在の給食の向上を図る予定。


●後藤委員からの質疑

①中学校の食育の現状はどうなのか、指導内容は? 家庭も対象となっているのか?

→答弁(指導室長)

各学校では、食に関する指導の目標である6つの目標に基づき毎年の食育の全体計画を立てている。特に行事や生徒会活動、理科、社会、道徳など教育活動全体で指導している。また、家庭や地域との連携では、学校だよりや給食だより等で食育の啓発を行っている。

②食物アレルギー対応はどう考えているか?

→答弁(保健給食課長)

先程の学校教育部長の話のとおり、自校式で行っている小学校給食では除去食で対応しているが、重症なお子さんなどには対応できない。給食にどのような食材を使っているかは、給食だよりやクックパッドなどでPRしている。


●坂上委員からの質疑

①喫食率の低さが言われているが、弁当型給食の説明は各学校で統一か、任せているのか? 利用促進の取り組みは?

→答弁(保健給食課長)

パンフレットは作っているが、統一的な説明はしていない。現在第12回学校給食問題協議会でも検討を進めている。2学期の無料試食会などでPRしていく。


●八並委員からの質疑

①現状の申込み方法や費用は?

→答弁(保健給食課長)

各家庭の保護者負担は食材費として1食310円。配送費などを含めた単価は1食あたり650円。2018年9月からインターネットで予約、1日単位で申し込めるようにした。食べたいときに給食を頼む、弁当が持ってこられるときは弁当など、弁当と合わせて給食を活用してもらいたい。町田市の選択制のメリットはこういうところにある。

②自校・センター式などにしたときの課題は?

→答弁(保健給食課長)

弁当併用外注方式を続けていくつもりなので、細かな試算はしていないが、19校に自校式で作るとおよそ100億円かかる。センターにすると施設が2つ必要で40億円ほどかかる。ランニングコストも、毎年7億円ほどかかる。また、給食室をつくるとなると敷地が必要なので、容易にはできない。


●後藤委員からの質疑

老朽化している学校もあり改修が必要だと思うが、その現状は? また、100億円という額のイメージがつかめないが…。

→答弁(施設課長)

小中学校合わせて築40年以上が42校、築50年以上が12校あるので、計画的に改修していく。

参考として、現在改築事業を進めている町田第一中学の改築費用は約55億円。


●坂上委員の反対意見

中学生の子どもがいた保護者の立場としては、なぜ中学は弁当なのか疑問だったが「大変だ」という思いだけで食育について考えたことがなかった。ほとんどの保護者は同様だと思う。ただ、自分は自校式の給食のある中学に通っていたので、中学校に全員給食のない自治体もあることに驚いた。

入学時の説明会では「中学校ではお弁当になる。作れない人は弁当給食を注文できる」という説明だった。これを「弁当型給食が基本、それが嫌な人やアレルギーのある人は弁当」という方式にすれば喫食率も上がるのでは?

自校式にしたところで、個々のアレルギー対応には限界がある。

また、「冷たい、おいしくない」と言われているが、請願者を含め、食べたことがなく噂だけでそう思っている生徒や保護者も多いだろう。自分の子どもも、友達に食べさせてもらったことがあるが「おいしくないとは思わなかった」と言っていた。試食会で食べた上で再度判断してもよいのではないか。

自校やセンター式にするには、大変な費用がかかり、敷地の問題も出てくる。部活をするスペースが減るなど支障が出たり、配膳時間も必要になる。今できる条件の中で改善を考えたほうがよい。ただ、今後将来的に新たな学校設備を建てるときには自校式をめざしてほしい。


●八並委員の反対意見

2002年ごろ、今の給食導入以前に、PTAとして市への要望のひとつに給食実施を掲げていた。導入当時は家庭弁当以外を選択できるということがとても喜ばしく、子どもを通わせていた中学校では40~50%くらいの喫食率だったように思う。当時のPTAでも、試食会などで給食利用を広く啓発し、小学6年生の親にも働きかけるなどしていた。

私自身も日々の状況に応じて、給食を利用してきた。当時から社会状況の変化はあると思うが、給食が用意されていることに変わりはない。請願者の思いとしてベストではないだろうが、請願内容の実現にはいろいろな問題がある。試食会の結果を待ちたい。


●後藤委員の反対意見

試食をきちんとやって、味や、どんなものかを子どもたちや保護者で判断してほしい。子どもたちの選択に変化がみられるかもしれない。

食育については、学校給食を柱とするのが1つのやり方ではあるが、必ずしもそうでないといけないわけではない。家庭と学校の両面でどのように指導していくかが重要。教育の質を上げていく必要がある。

アレルギー児にとっては、家庭弁当を選択できることは安心につながるのではないか。併用型にすることでそのように、やりやすくなっている点もある。費用面でも、総合的に考えると請願内容は実現しにくい。


教育委員会の皆さまにも、現状の選択制デリバリー給食で問題ないと結論づけてされてしまったことは、非常に残念です。請願者も当会メンバーも納得できない不採択ではありましたが、この結果をもとに新たな方策を考えていきたいと思います。

中学校によりよい給食とどけ隊@町田

東京都町田市の中学校に、小学校のような全員給食を実現するため、活動しています。 2018年12月の町田市議会に23,168筆の請願署名を提出しましたが、不採択でした。 町田の中学生が、家庭の格差に関係なく、温かくおいしい給食を食べられるよう、これからもがんばります。 メール➡︎machidanokyusyoku★gmail.com(★を@に) Twitter ➡︎@machidakyusyoku

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